<火刑>
「法律が初めから、異端者を生きながら焼くという恐ろしい刑罰を定めていたのではない。
立法者がその当時、残忍な民衆が当然なものとして楽しんでいた復讐の形を採用したに過ぎないのだ。」
-アメリカの歴史家「レア」
「火刑」は、古代から存在する処刑方法で、主に、姦通、近親相姦、同性愛、獣姦などの性犯罪や、妖術、異端などの信仰に反した罪で有罪判決を受けたものには火刑が適用された。
火刑が盛んになったのは、宗教改革の嵐が吹き荒れた13世紀以降のことである。
各地で相次いでおこるワルド派、カタリ派、アルビジョワ派などの改革運動に、ローマ教会は宗教裁判で対抗し、異端者を次々と火刑に処した。
火刑の方法は、時代や国によって異なる。
火刑台は主に二つの方法に従って組みたてられていた。
>犠牲者の体が露出するタイプ
薪や柴の束を敷き詰めたところに柱を立て、それに受刑者を縛り付け、その周囲には、膝か腰の高さまで、棘のある木の束がつみ上げられた。
観衆は、空まで舞いあがる炎を通して受刑者が焼けるのを見ることが出来た。
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