<がみがみ女のくつわ>
およそ1500年頃から1800年頃にかけて、実にさまざまなものが作られ、芸術の域に達しているものもある。
舌禍の元兇者(おしゃべり、暴言)を戒めるもので、慣習に逆らったり男尊女卑に異論を唱えたりなど、当時の常識に反することをいった場合に用いられる刑罰である。
当時の女性は「家の中で奴隷のように扱われていた」うえに「常に妊娠していた」ために、「心神喪失」に陥って血迷ったこと(当時の常識に照らして)を言いだす事件が数限りなくあった。
すると「口やかましい女」「がみがみ女」とのそしりを受け、面をかぶらされ晒され苦痛と屈辱を味あうことになる。
もちろん国家権力側でも、反抗や体制批判をしたものを晒し刑に処していたが、教会法(NGO?(笑))には、もっと細かい違反行為が膨大なリストになっていて、罰則として(NGOの癖に)晒し刑を頻発していた。
この罰を受けるのは、必ずといっていいほど女性であり、取締りの主旨が「教会では女を黙らせるべし」であった。
ここでの「教会」は「教階制」(キリスト教徒の中に教義的な理解度?で階級がきまっていた)の意味で、これは「教会」の中で、女性が最下層の人間と定義されている制度としての女性蔑視であり、実際の意味は「男の前では女は黙らせるべし」ということである。
面をかぶらされた者は、広場の杭に晒された上、例によって人々からひどい仕打を受ける。
殴りつけられ、汚物を塗りたくられ、大怪我で苦しむことになる。
とくに乳房と恥骨を傷つけることが多く(流行?)その場合は死にいたることも多かった。
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