「拘束ベルト」
さまざまな「首枷」と同じ構造をもっているが、これは胴にはめる物である。
ここで紹介するものは、左右の脇のところに輪が付いていて、そこに手首を固定するタイプのもの。
この器具で拘束したあと、飢えや乾き、この器具自体でできる傷をもとに起きる感染症で死ぬのを待つこともあるが、大抵の場合は拷問にかけることになる。
(ユダの揺籃などで使用)
世界中の刑務所、知的障害者の収容施設などには、今現在も必ずあるといわれる。
「聖エラスムスのベルト」
棘付きの拘束ベルトといった構造をしている拘束具である。
ここで紹介するものは、内側に鋭い棘がつけられた鉄の輪に、長さ2メートルほどの鎖がとりつけられている。
名前の由来はハッキリしていない、「聖エラスムスの殉教」(紀元303年)と、どう関係があるのかもわからない。
「聖エルモの火」(聖エラスムスは聖エルモとも呼ばれる)という自然現象(特に船上で起きる放電現象で、マストや帆桁などが炎に包まれたように見える))になぞらえているという説もある。
「苦行者のベルト」
ヨーロッパで宗教儀式としての苦行用の器具として、修行者が好んで使用していた。
肉体への苦痛を与えることによってさまざまな誘惑に打ち勝つための精神力を養うために使用される。
ここで紹介しているのは、ベルトの形をした有刺鉄線を編んだだけの簡単なつくりだが、内側につき出た棘は220本を数える。
この器具を衣服の下に隠して装着したまま、修行(日常生活)を送るのである。
このベルトを締められると、少し動いただけでも、たとえば息をしただけでも、たちまち棘が食いこむことになりやがてその怪我が化膿して、ついには壊死することもあった。
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