祝! 「裏・電脳画廊」4万ヒット記念小説
美少女型録・田中恵理より
作 ケイ
一
「ふっ!」
正拳突きが宙を裂くと共に長い三つ編みが大きく揺れる。
空手の基礎、そして最大級の破壊力を有するこれを、少女は何年もの間、一日として欠かすことなく続けていた。
「ふん!」
少女の名前は田中恵理。
父親の影響で空手を始め、今では同年代で彼女にかなう者はいない。
「恵理、朝食にするぞ」
ふと声をかけられると、少女の顔が年相応の…いや、女のそれになる。
「パパ!はい!」
満面の笑みを浮かべる娘に父親の満足そうに頷くと、「早くしなさい」とやさしく声をかけ居間に消えていった。
「パパ…」
恵理の手は、知らずに自らの胸に当てられていた。
未発達な幼い胸にキュッと力を込めると、喘ぎともとれる小さなため息が漏れた。
少女は父に恋していた…。
自分の周りに父ほど魅力的な男性はいない。
かっこよくて、強くて、何よりも恵理に優しい…。
いずれはパパの子供を産みたいとさえ思っている。
それが例え禁断の行為であったとしても…。
しかし、全ては一瞬にして砕かれてしまうこともある…。
高槻中学に入学してだいぶ経った。
恵理は友達も出来、楽しい日々を送っている。
言い寄ってくる男子は後をたたないが、やはり父親よりもいい男は現れなかった。
「ふっ!シュッ!」
今まで家の庭でやっていた朝の練習は近所の公園で行うようになった。
父親を想ってしまう…その雑念を取り除くためだ。
「スウゥーーハァァーーー」
息吹をして精神を落ち着ける。
と、その時だった。
「ヒュウ〜!なかなか様になってるじゃん?」
突然の声に恵理の動きが止まる。
そして、声の主をちらっと覗き見る。
(…軽そうな男…無視ね)
パパには遠く及ばない。
そう判断した恵理は無視を決め込んだ。
「…おいおい、何も無視することないだろ?」
拒絶されているのが分からないのだろうか…男は恵理の腕に手をかけた。
パチン!
「触らないで!」
「…はっ!いい気になってるんじゃねーぞ…」
男の様子が変わった。
「…やる気?」
恵理も構えを取る。
こんな男に遅れはとらないという絶対の自信が恵理にはある。
「…ふん、便所に来いよ…」
「…いいわよ」
この時、恵理は男の微笑を見逃していた…。
もしも、この“絶対の自信”といった微笑に気付き、逃げていたなら…いや、その後悔すら無意味なものかもしれない…。この男に対しては…。
ズン!
恵理の腹に男の拳がめり込む!
「うげぇーー!?」
吐き出したものの上に顔面から落ちる。
「もうおしまいか?くっくっく」
圧倒的であった。
もしかしたら父親よりも…。
「はぁはぁ…」
絶望が襲い掛かる。
「くっくっく、ケツをあげな」
ビクン――?!
「な…なにを…?」
ガスッ!
「あがぁ?!」
腹部に蹴りを受け、恵理は仰け反った。
「女がケツを出してすることなんて、一つしかねぇだろが!」
「ひ――?!」
殺される。
羞恥よりも本能が勝った。
自ら腹ばいになり、お尻を持ち上げ男の眼前に差し出す。
まだ中学生とはいえ、性の教育は受けている。
これから自分がどうなってしまうのか…考えるだけで震えが止まらない。
(パパ…助けて…パパ…!)
まるで念仏でも唱えるかのように一心に祈った…。
しかし、この男に慈悲はない。
「へ〜、ガキのくせに生えそろってるじゃねーか」
下着を下ろされ、陰部をさらしながらも未だに恐怖が勝っているのだろう。
とっさに手で覆い隠すといった行為は思い浮かびもしない。
「よしよし、いい子だ。お前はいいメスになる――ぜ!」
ズ――ブッ!!
「あ…ぁあああ!?い、痛い!痛いよぉ!」
前戯も何もなかった。
あまりにも突然に恵理の処女は散らされてしまったのだ。
「ぅああ…ぁああ…」
悲しみからか…痛みからか涙が溢れ出る。
あまりの痛みに覗き込んだ結合部は、血で滴っている。
…いや、それよりも…。
「いや…いやあぁーーー!!??」
恵理を貫いていたのは、男のペニスではなく、便所で糞尿にまみれていたモップの柄であった。
「くっくっく!あははははは!!初体験の相手は便所のモップですってか?!」
男の嘲笑が便所に木霊する。
「お願い!抜いて!抜いてください!お願いします!!」
ズブズブ!!!
恵理の叫びはむなしく、モップは激しく抜き差しされた。
「くっくっく!こんな楽しいことを止める訳がないだろうが!?」
「う…ぅう…」
…。
……。
「ん?気ィ失っちまったか…?まあいい」
ぐったりとしてしまった少女から、それでもモップを抜き取ることはない。
男は片手でモップを動かし続けながら、もう片手で携帯を押した。
「…おう、伸治だけどよ。ちょいとやってもらいことがあるんだ。――ああ…そうだ、それから若いのを二人ほど貸してほしい…。――は!安心しろ、俺が儲けにならない話を持ち込んだことがあるか?――ああ、頼んだ」
二
「いやあああぁぁーーー!!!」
ここは何処だろうか?
…そんなことは、どうでもいい。
あれから二日が経った。
そして、家族が死亡した(殺された)という事実を突きつけられた。
そんなことは信じない。
信じたくない――。
父親だけが生きる希望なのだ。
体に無数の刺青を彫られ、高熱にうなされながらも犯され…そして今は、ヤクザ風の男二人から必死に逃げている…。
「ほぉら、早く逃げないと髪を切られちまうぞ〜!」
伸治と呼ばれていた男の野次が飛ぶ。
首謀者――。
憎しみが心を埋め尽くす。
犯されたことに対するものではない。
狂言かもしれない。
それでも、あの誰よりも強い父を殺したという言葉が許せなかった。
(はぁはぁ…ちくしょう…ちくしょう!!)
ガシ!!
ついに三つ編みが掴まれ、動きが止まった。
「ひ――?!」
「つーかまえた!」
男の厳つい手は、恵理の三つ編みを乱暴に引っ張り上げる。
「伸治さーん!んで、これからどーするんスか?!」
「おう、そこにバリカンがあるだろ?それで思いっきり刈り上げてやりな。ただし、坊主にはするなよ?…マニアな客しか付かなくなるからよ!」
「あははは!俺はそれでも萌えますがね!」
あまりに楽しげに話す男たちに現実味が薄れる…。
いったい自分は何をしているのだろうか?
何をされているのだろうか…?
男の笑い声にバリカンの駆動音が重なる。
ウイィーーーン
――ジジ!
髪を引っ張り上げられ露出したうなじにバリカンがあてられた。
「ひ?!」
無機質な冷たさを放つバリカンに精神が現実に引き戻される。
「わ…私の髪…?!ひぁあ!?」
ジジジジジ―――!!
――ぱさっ!
「う〜〜ん、バッサリって最高!」
男は、刈り落とした髪を掴み上げるとぷらぷらと振り回す。
長さ40センチはあるだろう。
恵理が、自分の女らしさの象徴として大切に伸ばし続けていた髪は、今、男の手に弄ばれるだけの玩具と化していた。
「ぁ…そ…んな…」
「いや〜、恵理ちゃん、髪綺麗だね〜〜!やっぱり髪は中学生くらいが一番綺麗だよね!」
刈り落とした髪の毛先で恵理の頬をくすぐってみせる。
「あ…ああ…」
男の手の中で髪は、まるで生きているかのように艶を放っている。
そのことがまた悲しみを倍増させた…。
「…よし、そのくらいにしておけ!場所を移動するぞ」
結局は、スポーツ刈りが伸びたような髪形にされてしまった。
しかし、悲しむ暇は与えられない。
その後、伸治の呼びかけに目隠しをされ、どこかに移動させられた。
…何か懐かしい匂いがする…。
自らの女の部分とお尻の穴に男のものを突っ込まれながらも、居心地のよさを感じる…。
「ン…はぁん!…ぁう!」
たった数日ながらも犯され続けた穴は、何をされても感じるようになっていた。
「あう!はぁ…くぅ!」
声が漏れる。
もう、抑えられない…!
「…くっく、おい!目隠しを取ってやんな」
「へい!…へっへっへっ、恵理ちゃん、お・か・え・り!」
シュル――。
「…え?ここ…は…」
あまりに見慣れた風景に恵理の動きが止まる。
そして…。
「わたしの…うち…?!」
伸治の狂言――。
家族は…父親は生きている…。
…希望は打ち砕かれた…。
「ぅ…ぁ…ああああ…」
叫びすらも力ない。
「おら、こいつにサインしな」
無造作に一枚の書類が差し出された。
太字で『奴隷契約書』と書かれている。
「飽きるまでは可愛がってやるぜ?…そうだな、糞尿を食らって喜ぶ便器にしてやるよ?」
この男は…伸治は飽きるまでは決して殺してくれない…。
そして、言う事を聞かなければ、痛め続けられる。
この数日の間に学習したことだ…。
――それならば――
エピローグ
あれから一年が経った。
小さな窓から見える紅葉が美しい…。
しかし恵理は、自らの体も美しい赤に染まっていることに気付いていない…。
足はどこにあるのだろうか。
手はどこにあるのだろうか。
目の前には、人間の手足をつけた操り人形が楽しげに踊っている…。
その様子をうっすらとした笑みで見て…。
その笑みが消えていく様子を、無機質なカメラは映し続けていた…。
「カァット!!よ〜し、久しぶりに売れそうなのが撮れたな!
中学一年生、田中恵理の一年間のドキュメンタリー!!いいね〜〜!
おい、お前ら!“それ”はちゃんと処分しておけよ」
「へ〜〜い!」
BAD END
後書き
四万ヒット記念、第一弾!!
てか…かってに書いてしまいました…すみません…!
さらに登場人物の性格は俺の想像…あまりにいいかげんですな!申し訳ないッス! |