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鋸引刑

チャールズ・フィッツウィリアムズ1817年著「昨今のイベリア半島戦争をめぐる見聞と回想」(これは、ナポレオンがイベリア半島に侵攻したとき、スペイン北部のカタルーニャのゲリラが、侵略軍の将校を「のこぎり裂き」の刑に処したときの様子を描いたものである。)によれば、「のこぎり」には、次のような効果があるという。

1)犠牲者の両足を開き、胸部を下方に位置させることで、出血の速度を緩めることができる。
2)頭が下方になる事で、血液が脳に流れ込み、脳への酸素の供給を活発にする。
3)以上により、痛みを鋭敏に感じさせる一方で、来るべき死を引き延すことができる。
16世紀、二本の柱の間に逆さ釣りされた犠牲者を股間から鋸引刑
16世紀、二本の柱の間に逆さ釣りされた犠牲者を股間から鋸引刑


また、「のこぎり」は、同性愛者(男女の区別なく)を罰するための刑罰としても用いられた。
その際には、死に至らしめることが目的ではなく、生殖器を破壊した時点で、刑の執行が終了された。

最後に、鋸引き刑の変形とも言える、ユグノー教徒が、フランス中部のカトリック教徒に対して行った切断刑を紹介する。
裸にされた受刑者は、ぴんと張った縄の上に乗せられ、縄の下でくるぶしに足枷をはめられる。
二人の刑吏が受刑者の腕をつかんで、縄の上を上手くバランスをとりながら引き、もう一人の刑吏が囚人のしりを押す。
こうして、何度も縄の上で体を往復させるうちに、受刑者の体は真っ二つに切断された。
鋸引刑5
斧による断首とともに、由緒正しい刑罰なんですねぇ、「のこぎり」(^_^;)
しかし、骨盤とかを切るのは力が要りそうだし、犠牲者が、なかなか死なないし、刑吏のほうにも、
ストレスを与えることは間違いない刑罰ですね。(断首だと一瞬で済むもんね)

次へ進むと「刺殺刑」へ続く予定です。
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