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断首刑(装置)

断首執行

斬首の技術は「ギロチン」導入とともに消え去るものと思われていた。
しかし、斬首は誰にでも出来るものではないため、死刑執行吏は義務として技量を維持した。
第1助手として362回、筆頭執行吏として20回の斬首を執行した「オブレヒト」の言葉。
「同じ断頭は2度とない」

処刑当日の朝、死刑執行吏の助手達がアルコール水準器の助けを借りながらギロチンを組み立て、藁の束を使ってテストを行う。
ギロチンを設置する場合、いくつか用心しなくてはならないことがあるが、一番肝心なのは、ギロチンを水平に置くことだった。
若干でも傾いていれば、落ちる途中で刃が溝に詰まってしまうからである。

看守一行が死刑囚の独房に入ってから、頭が飛ぶまでに要する時間は普通15分から20分であった。

1,処刑に立ち会うことを認められた、看守、執行吏、聴罪司祭たち約10人の人々がまず警務所長室に集合したのち、死刑囚区内の指定された独房へと向かう。

2,看守たちは独房の扉を開けると、囚人が暴れるいとまを与えず拘束衣を着せる。
(1940年以降囚人が暴れない限り暴力は禁止された。)
(そのとき、看守の一人は独房の奥、一人はベットの足元、もう一人は扉の側にポジションをとる。)
看守に続いて、司法官、役人、弁護士が入り、恩赦が却下されたことを死刑囚に告げる。

3,関係者の一団と看守に囲まれて、死刑囚は刑務所の廊下を進み、ある部屋で次のような手順を踏む。
A,そこに用意された机で死刑囚は最後の手紙を書くことを許される。
B,刑事訴訟法に従い、何か申し立てることがないかどうか裁判官が死刑囚に尋ねる。
C,司祭が告解を書き留め、死刑囚が望めば聖体拝領をさせる。
D,死刑囚は「最後の酒とたばこ」を許される。
E,看守長は死刑囚に囚人名簿からの抹消証明書を見せる。

4,この段階で、死刑囚の管理が、看守から死刑執行吏に委譲され、次の手順に従って準備が行われる。
A,執行吏はすぐに死刑囚の足と膝を紐で縛り、後ろ手に肘を縛る。
(死刑囚の背中を曲げ、頭を前に突き出す姿勢を無理なくとらせるように縛る)
B,断首に邪魔だと判断した場合は、髪を切り、着ている服の襟首を切り裂き両肩を出させる。
断首に邪魔だと判断した場合は、髪を切る
断首刑(装置)7
「断首刑(装置)8」へ続きます。
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