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引裂刑

車裂き、牛裂き、四つ裂き、体解、股裂き、などと呼称される死刑である。
「引裂き刑」は「四つ裂き」あるいは「八つ裂き」の名で知られる刑罰の形である。
この刑罰の特色は、受刑者の四股に対して同時に「力」を加えて、体を引裂くというものである。
人間の残酷さが産出した刑罰の中でも、最も恐ろしいといわれる刑罰のひとつである。

四つ裂きは古代より行われていた。
というのも、インドのマヌ法典(紀元前後)に、この刑罰が記されているほか、いくつかの文献にも、紀元前に中国、ペルシア、エジプトに「四つ裂き」が存在したことが示されているからである。


中国
秦の始皇帝の代より車裂きが行われていたという記録が残っている。
北朝時代の北魏では、車裂きが君主への反逆罪や不孝の罪に適用される刑であった。

車裂き
1,二頭の馬車あるいは四頭の馬車により犠牲者の手足を引っ張り体を裂く。
2,犠牲者を地面に寝かせ、その上を馬車で通過する。
以上のいずれかの方法によって体を引き裂いた。


日本
大壁の環、環裂、環磔、などの用語で中国の「車裂き」を解説し輸入したと言われている。
豊臣秀吉の代、会津の蒲生秀幸が、馬の代わりに牛を用いて、この刑を導入している。

牛裂き
犠牲者の両足にそれぞれ牛をつなぎ、二頭の牛の間に松明の火を振りかざし驚き走り出す牛の力で股を裂いた。


西洋
ヨーロッパでの引裂刑と言えば、「四つ裂き」を常としているが、四つ裂きが引裂刑として確定する前には、様々な引裂刑が執行されていた。
体を引き裂く動力としては様々なものが用いられた、インドでは牛が使われたし、ギリシアでは木を用いていた。
木の替わりに最初に馬を用いたのはローマ人といわれている。
4頭の馬で四股をひっぱるようになる前は、2台の戦車によって「引裂き刑」を行っていたという。

松の木折り(股裂き)
ギリシアでは、2本の木を互いに一方にたわめ綱で固定し、その綱を切ることによって木が元の位置に戻ろうとする力を利用した。(ディアスフェンドネーゼと呼ばれる)
松の木折り(股裂き)
引裂刑1
「引裂刑2」へ続きます。
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