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刺殺刑

射殺刑(矢で射る)

弓矢による処刑は、死刑としてはまれなもののひとつで、「弓」「弩弓」による発射物によって行われる。

おもな処刑方法としては、受刑者を柱、壁に縛り付け、矢を射掛け、死ぬまで放置する、という手順で行われた。
エジプト人のようなオリエントの民族で行われた射殺刑
投げ槍や投石器を別にすると、弓は最も古い飛び道具といえる。
見渡す限りの草原、荒野での戦闘が多かった、エジプト人のようなオリエントの民族、またアジアの民族は弓という武器を特に好のんでいた。
反対に、ギリシャ人やローマ人は、弓をあまり武器として用いなかった。
エーゲ海の小さい島や、切り立った石灰岩のガケにかこまれた都市での戦闘は、小回りのきく歩兵による接近戦、あるいは船で乗り付けての接近戦で、剣と盾の戦い(飛び道具としては、細い投槍が好まれた)だった為である。
森が多く草原は少ないヨーロッパも似たような状況であった。
火器が出現し、銃殺が行われるようになると、矢による処刑は完全に消滅した。
刺殺刑4
○ニミコラム、「弓」について

「弓」
細長い竹・木などをまげて、弦(つる)を張った、矢を射るための武器。
弓は形からみて、二つに大きく分かれる。
現在の洋弓に代表される短弓 (91〜150cm、「握り」が大体弓の中央にあるものと)
日本弓に代表される 長弓(180cm以上、「握り」は中央から下にとっているもの)

「弩弓(ボウガン)」
短弓や長弓を木製ストックに横に装着し、弦を引いた状態でトリガーにかけて照準と発射を簡単に行えるようにしたもの。

「矢」の特徴としては、大型剣をふりおろしても破れないヨロイをつき破る貫通能力がある。
強力な張力を使って加速する矢の運動エネルギーが小さい面積に圧縮されてぶつかるため、鉄板をもつき破ることが出来た。


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